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同じことが次の焼畑でもくり返されますから、初めての焼畑ではソバを作りますが、火を入れるのは最初の年だけで、その横の前年の焼畑ではアワが、前々年のところではダイズが、という具合に耕作地が広がります。 そして耕作を放棄したところでは、ワラピなどを採り続けながら、次第に地力が回復していくのを待つのです。
火と焼畑の力。 むしろ、このように自然に火を入れることで、人間に適した環境が維持できることになります。
先にも述べたように、自然は放っておくと、植物や動物たちの生存競争によって、生態系が著しく変化してしまいます。 私たちの生活に都合のよい環境を維持するためには、それなりに手を加える必要があるのです。
焼畑は樹木の灰を肥料とするばかりではなく、火を入れることで、土壌の酸性化を促すとともに、土壌中のカリウム含有旦里を補足しているといわれています。 近年では火事の恐ろしさから、火が悪者扱いされていますが、逆に火は、私たちに必要な自然を再生させる力をもっているのです。
さらに焼畑には不思議な力がありますが、近年ではめったにお目にかかれません。 最後まで比較的大規模に焼畑が行われていたのは、四国の高知県椿山一帯でした。
ここでは焼畑で、コウゾ・ミツマタといった和紙の原料を大量に作っていましたが、一九七○年代に百円札がコインに変わったため、その使命を終えることになったのです。 ところが現在でも、一定の規模で焼畑を行っている地域があります。

それは山形県の写真山形県庄内地方藤沢の焼畑(著者撮影し庄内地方しし村山地方の一部です。 ここでは漬物こする赤カブが、焼畑で栽培されてこれらは焼畑でなければ赤くなりませんし、本来の味がでないのです。
自分が食べる赤カブを作るためだけに、一人で焼畑を続けている人もいます。 また焼畑で作ったソバは、普通の畑のソバよりも、はるかにおいしいと聞きます。
焼畑は、最もプリミティブな農法の一つで、農業の発展に大きな役割を果たしてきました。 現在でもタイやラオスでは、焼畑によってコメが作られています。
その現状については、ここの最後にふれたいと思います。 食料の安定と農耕。
いずれにしても農業が進んで、たくさんの生産物が確保できるようになると、社会の在り方は、大きく変化してきます。 食物の安定が、人間らしさを発現させたように、人間が作る社会も、それによって大きな発展をとげることになるのです。

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